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僕らは死にません

「ヤバイ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ絶対死ぬこれ俺ら死ぬわ間違いなく死ぬ」
「ちゃうて、アカ連中の銃のほうが先やって」
「は? お前耳にタコ詰まっとんと違う? 間違いなくウチ方のハッパが先や」
「ウワー見覚えあるで今下走っとったアンちゃん例の心斎橋の時もおったわ、たぶん亜人やわ」
「死ぬ死ぬ死ぬ場違いやもん俺ら場違いやもん生き残れへんもう絶対死ぬ百パー死ぬ俺こんなとこで中戸の屁の臭いかぎながら死ぬために生まれてきたんと違うかあちゃんかあちゃん違うねん」
「誰が屁こいたってエ!!?」
「中戸ウッセエ」
「オメーのせいで見つかって一網打尽なんか絶対御免やぞ俺は絶対」
「俺のせいか!? 俺ちゃうやろ!!? 鍵島のビビリのせいやろ!!??」
「中戸がうっさいからロック開かんわ」
「中戸お前次喋ったらハブんで」
「ア!!!!!!????????」
「はいハーーーブーーーーー!!!!!!! ハブ確定ーーーーーー!!!!!! おめでとさーーーーーーーん!!!!!!」
「匙谷ィイイイーーーーーーッ!???? お前ブッコミ確定やぞォォオーーーーーッ!!!?」
「やめてやめてホント土下座するからヤメて二人もう俺らみっかる絶対みっかるわもうダメや絶対死ぬ」

 摩天楼の狭苦しい通気ダクトの一か所に肉の栓が四つ。彼らは黒牙會構成員の中でも特に若輩の連中だった。次のダクトに繋がるキーロックを左手の義手に仕込まれた機甲でどうにかしようとしている孔雀柄の革ジャンを着た男を筆頭に、パーカーを腰に巻いた吊目の男、ニット帽を被った猿めいた風貌のチビ、ガタイのいい坊ちゃん刈りの青年と続く。

「オッ開いたわ。部屋っぽいけど誰もおらん」
「ホントに? ホントにおらん? 誰かステルスしててん? ホントにおらんって言える? 誓える?」
「置いてくで鍵島」
「やだぁ」坊ちゃん刈りは涙目になった。

 四人が降り立ったのは小さな会議室。椅子は六つ程度、綴じたブラインドを革ジャンが軽く捲る。外は白昼の大阪帝国。壮観だったが彼はすぐ目を離した。
「さて、俺らの目的は何や」
「んなもんあったら俺ァ初ッからこんなとこにいてへんわ」
「カーチャンのとこに帰りたいわカーチャンアアーッ」
「オッ監視カメラあるで」
「これ最上階でテッペン連中が見てるんと違うか」
「オッ!!!!??? マジ!!!!???? イェーーーーーイ!!!??? お嬢!!!!!!??? お嬢見てるゥーーーッ!!!???」
「猿に目的とか聞いてもしゃーないわ」
「せやな」
「お嬢!!!!! 俺は死なんぞ!!!!! 俺ァ絶対生き残る!!!!!! いつかゼッタイ頭をオトーサマっ呼んだるわ!!!!!!!!」
「こいつ下につくまでにウチの手のもんにかかって死ぬに俺10円賭けるわ」
「俺もそっちに賭ける」
「賭けにならんな」
「帰りたいよオオオオオーーーーッ」

 果たして四人は生き残れるのか? それは神の味噌汁……

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